振り返って

WRITERものづくり推進グループ 木村國雄

振り返って

若い皆さんのリレー随筆に、64歳(嘱託)の私がご指名を受けた。僭越ですが、社是"和と信"つながりで私の体験を振り返ってみます。


温かい社風:
'67卒業後、勤続41年の歳月をオーエムでお世話になった。岡山の地に身寄りのない若輩だっ
たが、創業者・難波溥社長(現・名誉会長)の温かいお人柄が当時の社風にあふれていて、今日までずっと気持ちよく勤めさせていただけた。社是"和"の社風こそ企業の求心力であろう。これからも皆で良い風をおこしていきましょう。

上司と部下の信頼:
私はいろんな職種を経験させてもらった。恩人レベルの上司、高橋三千夫・藤井 恒両氏(元・常務)をはじめ、折々に多くの"いい"上司に恵まれた。"いい"上司とは、部下の力量よりチョッピリ未知で挑戦が必要な課題を与え、その達成に向けた配慮を惜しまず、「アンタが大将!」と勇気づけ、あげく当人に達成感と自信を持たせてくれたハウツーにあったように思う。

化学畑の私は'67めっき現場・技術や'71新規めっき(精密部品/現・オーエム産業)のライン建設、'87塗装・樹脂を含む生産技術etc.を体験し、加えて、当時の"オーエムでは未開拓に近い"課題にも恵まれた。

例えば'70産官学研究(国庫交付)の事務、'72特許出願の制度導入、'81現場管理[SQCD]の啓蒙(プレス・溶組・表処/各ライン「日々新聞」発行)、'82顧客幹部視察対応の冊子(品質保証・合理化改善)、'84社史(創業40年)・'95同(50年追補)の編纂、'89分工場(総社西)の出納、社内報おかめの編集、'97工業団地操業30年誌の編集委員、'98工場管理[品質・環境]のISO構築、'01社史(創立30年草稿)の編集etc....

上司の方々は内心ハラハラされていたことだろう。失敗をやらかしては上司に助けてもらいながらも、それぞれ何とか形にしてきた。まさに上司と部下の信頼──社是にいう"信"によって成し得たことだと思う。

どうか管理監督者の皆さんは、部下に対し"人を育てる"重責も託されている点を自覚されて臨んでいただきたい。
他方、若い皆さんは、上司からの課題を"逃げたいナ"とせず、"千載一遇の好機"ととらえてほしい。難題に見えても"オーエムで未開拓"というレベルに過ぎないはずだ。社是"旺盛なファイト"で果敢に挑戦してください。


ものづくり推進グループ 木村國雄(第86号:2008年12月)


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