2009.01.01

名誉会長の昔あれこれ

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240号 誠心、誠意~昔あれこれ最終回~

私は正攻法が好きである。正攻法は基本を追求する過程で生まれるものだが、複雑なものも分かりやすく簡単にするメリットがあるように思う。人との交わりで 言えば「誠実に接する」と言うことになろうか。「百術は一誠に如かず」と言った人があるが、現世は"策"が多すぎ、"策"を弄ぶきらいがある。"策"を弄 するばかりしていると策に溺れることが多い。



企業経営、ビジネスにおいて「誠心、誠意」を根幹に据えておけば、手の込んだ策は必要ない。


「誠心、誠意」は誰にも分かりやすく、力強く、そして長続きすると確信する。


私は、人生を振り返って、物事はコツコツと気負いなく、積み重ねていくことの大切さを学んだ。積み重ねは繰り返すことによって厚みを増す。決して派手さはないが、その厚みが底力を発揮する。


人並みはずれた、利発さは持ち合わせない代わりに、私は親から「努力する才能」を受け継いだと信じている。幼い時から何かにじっくり取り組むのが好きである。


"努力"という二文字の基本となるのは目標を達成するために継続、または積み重ねる粘り強さだと思う。


長く続く人と飽きがきたり、音を上げて止めてしまう人とがある。長続きする人は「努力の才能」がある。私は、学生時代からマラソンランナーとして地方大会に出場、何度か入賞したことがある。マラソンランナーはその最たるものと思う。


も う一つの努力は、何かのヒントを得ると夢を追い求めて物事を達成する努力だ。何にでも問題意識を持ち、キッカケをつかむと情報を集め、想像をめぐらし、深 く掘り下げ、目標達成に息長く努力する。スポーツでも企業経営でも基礎努力と目標達成努力なしでは高いレベルへの成長はおぼつかないだろう。


私が経営を退いてからも、社員やお客さまをはじめとして皆さんと楽しい感動に触れ、嬉しい思いを味わされるとまだまだ死ぬのは惜しいような気分にさせられる。


すべての経営が盤石で、各員がそれぞれの責任を全うしながら経営に万全を期し、加えて新技術、新製品の開発を続けるならば、オーエムグループの将来展望は刮目に値するものがあり、私は創始者として以て銘すべしと考える次第で、多くの皆さんに衷心から感謝するものである。


私 の「会長の昔あれこれ」は今回を最終回にしようと思う。元来、怠けられるところは怠けようという性質であり、その時々に思いつくままに書いてみたり、過去 に披露した文章を再掲したり、時には他人さまの文章を掲載したりと、なんとかのらりくらり連載を続けてきたが、気づけば二代目社長の正義も最高顧問とな り、全ての会社の代表権を返上した身となっている。私の昔話はこのあたりにして、これからは正義の徒然なる話をお読みいただいてはどうかと思う。長い間お付き合いいただいたことに感謝申し上げる。なお、憎まれっ子世にはばかると申すか、体もいたって健康で、気に入らないことがあればすぐに大きな声をする家 庭の問題児として気ままに過ごしておりますのでご心配なく。みなさんのご自愛を祈り上げてお終いとしたい。


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