WRITERオーエム産業㈱ 技術グループ 剣持仁志
"絶対に落ちることのできない試験"がそこにはありました。
めっき専業社として、かつては技能士はもとより現代の名工と呼ばれるマイスターまで在籍していたのですが、ここ十数年間におけるめっき種の変化や設備の変化もあり、いわゆる"めっき職人"が減少しているというのが実態でありました。
そこで会社が私に課した任務は「国家資格である電気めっき技能士を確保せよ」というものであり、また、「記念すべき(?)第1回目は管理職5名が受験せよ」ということでした。
技術グループとして、社内教育の推進を目標管理の重点テーマとして掲げている手前、特に断る理由もなく「いいっすよ♪」と、安請け合いしてしまったのが苦難の道への第一歩でした。
検定員・補佐員の推薦、各種手続き、受験者への案内、設備の設計・設置、薬品・備品・素材の準備、会場レイアウト、予備講習会の準備・実施、当日のスケジューリングなどなど・・・、国家資格を取得するための試験という相当なプレッシャーを感じながら、なんとか形はそろったぞ~・・・って、気が付けばもう8月。
8月末と9月初めの予備講習を経て、とにかくギリギリのスケジュールでしたが、無事実技試験当日を迎えることができました。
平成22年9月10日試験当日、妙な緊張感が蔓延するなか"絶対に落ちることのできない試験"がスタートしました。聞いた話ですが、顔を引きつらせ手を震わせながら半田付け作業をしていた人がいたとかいないとか・・・、「わ~っ」とか「しまった~っ」とか叫びながら分析している人がいたとかいないとか・・・。なにはともあれ、後に予定されている打上げ用のネタを満載しながら滞りなく実技試験を完了することができ、前段取りから関与していた私としては、まずは一安心。
気になる合否ですが、10月1日に岡山県職業能力開発協会のホームページに合格発表が掲載され、岡山の受験者5名は全員合格したことを確認できました。おそらく受験者全員、うれしさよりも安堵感が勝っていたと思われます。ちなみに、私の合格を確認したときの第一声は・・「セ~フ!」でした。
こうして、構想から約2年かけて(社長にとっては36期2004年からの想い)実現したオーエム産業における第1回目の技能検定は幕を閉じました。
当然、来年度以降も技能検定は継続実施されますので、今後のオーエム産業及び岡山県内外のめっきに携わる方の技術向上のため、微力ながら貢献できればと思っております。
最後になりますが、試験実施にあたりさまざまな面でサポートしていただいた岡山県職業能力開発協会殿、岡山県工業技術センター殿、検定員・検定補佐員の皆様ならびに社内の仲間たちに感謝をしたいと思います。本当にありがとうございました。
オーエム産業㈱ 技術グループ 剣持仁志