281号 人生あれこれ 北海道岬巡り(3)

281号 人生あれこれ 北海道岬巡り(3)

日本最北端の売店.jpgこの日は6時前に起床し、大浴場でゆっくり朝風呂を楽しんだ後、稚内駅や稚内港周辺を40分程ウォーキング、朝食後830、バスで日本最北端の宗谷岬へ向かう。日本海の岬を巡って来たが、ここを越えるとその先はオホーツク海である。宗谷岬には「日本最北端の店」と大きく表示した売店兼食堂があり、そこで記念のメダルを購入した。昼食は海岸線を更に南下した日の出岬にある「ホテル日の出」で食べる。食後にホテルの駐車場で景色を眺めていると、熊本ナンバーの軽四輪に三匹のチンを乗せて旅している人に出会った。動物好きな私は思わず声を掛けたが残念ながら不愛想であった。大型バイクに乗って北海道を旅している若者の二網走刑務所.jpg人組もいた。その後オホーツク海岸を一路知床へ向かう。途中には、樺太の島を発見し、蝦夷地の測量を行った間宮林蔵の立像があった。また網走では極悪犯罪者や政治活動家、さらには暴力団などが収容される網走刑務所の高くて長い塀が見えた。網走監獄の教誨師を務めた方が住職をなさっている永専寺の正門は、嘗ての網走刑務所の門だそうだ。駅の看板は通常は横書きであるが、網走駅の看板だけは何故か縦書きだった。

 


釧路プリンスホテルの眺.jpg知床連山が美しく見える道東・斜里町の峰浜から大栄地区まで続く20㎞の一直線道路は「天まで続く直線の道」と言われ、北海道ならではの道路だと思った。知床岬に行く途中の斜里町にカシュニの滝はあった。先日、TVニュースで観光船KAZU1沈没事故を知った時、悲惨なこの事故に遭遇された方々に思わず手を合わせ、カシュニの滝の美しい姿を思った。

 

襟裳岬.jpg根室半島の日本最東端の納沙布岬の宿は、釧路プリンスホテルであった。都市型の素晴らしいホテルである。上層階の部屋で、見晴らしが良く、空気が澄んでいるのか夕日が美しかった。就寝が早いので、起床も早く、5時に起きると雲の間から輝かしい太陽がもう顔を出して来た。8時にホテルを出発、釧路湿原を観光し、バスで十勝平野を延々と走る。台風が近づいて来ている影響で、太平洋の波は高く防潮堤を越えて道路を濡らしている。バスは、山を貫くいくつもの長いトンネルを抜けて襟裳岬へと向かった。十勝平野を走ると景色は、放牧牛からいつの間にか有名な日高競走馬に変わっていた 。北海道の広大さを再認識した。昼食は、襟裳岬の売店の食堂で、魚介入りの塩ラーメン食べる。このラーメンは絶品で、また来て食べサラブレッド産地日高高原.jpgたいと思った。襟裳岬では、眼下の岩石に太平洋の波が寄せて、大きな水しぶきを上げている。お土産のウニとカニを自宅に送り、襟裳岬に別れを告げ、帰りのフェリーに乗るために苫小牧を目指す。本来ならば太平洋側の名古屋港を目指す予定が、台風の影響で、日本海側の敦賀港へ向かうことになった。船室をグレードアップして貰いテラス付きの部屋に移ると、海原や陸が見えて快適であった。部屋は広くツインベットルーム、バストイレそしてソファー付きである。バスツアーで疲れた体を休めるために早めに就寝する。翌朝5時に目覚め、船尾のデッキで風を浴びながらボケーとする。海上で敦賀から苫小牧行きの姉妹船と出会い、お互いに汽笛を鳴らし挨拶、21時敦賀港入港予定が45分遅れて到着し、北海道岬巡りの旅は終わった。

 

今回、この稿を起こすことで、この旅が一層思いで深いものとなった。だが、ひとり旅も、もうできないなと、年を感じるこの頃である。


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